タツノコハ チホウミニスミ
タツタシル チホヤマニスミ
タツフルト チホサトニスミ
ツクハナル ミイキサトリテ
キミトナル
竜の子は 千年 海に棲み
竜治 知る 千年 山に棲み
立つ振ると 千年 里に棲み
付く離る ミイキ 悟りて
君となる
「チホ ウミ ニ スミ」とは、タツ(龍)の子が成長してゆくさまとして、ホツマツタヱに伝わっています。
タツとは本来、火の災いから人を護る、防火・鎮火の働きを担っている自然神のことです。
竜巻(タツマキ)などの自然現象もあるように、実際にタツはその姿を、目に見える形で表わすことのできる力の強い自然神でもあります。
言い伝えによりますと、「タツ」の子は千年の間海に住んで、「タツタ」の鎮火・防火の働きを会得します。
そして「タツ」の子は、次に千年の間山に住み、ここで「タツフル」タツの力の及ぼし方を学びます。
そしてそのあと「タツ」の子は、「ツクハナル」タツの力の活かし方を千年かけて学ぶとされています。
・タツの子は最初の千年間を海に住みイノチを大切に思う心、“ワイキ”を学び。
・次の千年間を山に住み、天地と共に生きるすべ“アイキ”を学び。
・次の千年間を里で暮らし、夫婦のミチを得る、力の合わせ方を知ることで“ヒトイキ”を学ぶ。
ワイキ、アイキ、ヒトイキ
イは意、心のチカラ。
キは氣、物質的なチカラ。
この3つのイキ、「ミイキ」を悟って初めてタツの子は、「タツキミ」に成り得るのです。
「タツキミ」とは立派な“カミ”(指導者)のことでもあります。
なぜ今日こんな話を書いたかというと、この時代は今、「タツキミ」を強く求めていると感じるからです。
「タツ」は防火・鎮火を司る自然神であり、世界は今、火に包まれているのと同様の苦しみや悲しみが溢れています。
例えば原発などのような「火」のエネルギーは、生活を送る上で重要であったと共に、その取り扱いには細心の注意を必要としなければならない、危険なものでもあるわけです。
古事記などの日本神話に伝わる火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)は、出産時に母であるイザナミの陰部にヤケドを負わし、それが元でイザナミは死んでしまいます。
「火」がいかに有用な働きであっても、危険なものには変わりなく、それと人はどう向き合ってゆくべきなのか?
問いかけるのが「タツ」のカミでもあり、その具現化として「タツマキ」があると思うのです。
チホ ウミ ニ スミ
チホ ヤマ ニ スミ
チホ サト ニ スミ
ミイキサトリテ キミトナル
そのコトに気づいた者、タツキミへの道を歩む者を、時代は求めているのではないでしょうか?
火の災いから、ヒト(火の戸クチ、火の番人)を護る。
それがタツの使命だとするなら。
この時代に住む人の概念が生まれ変わるような「タツマキ」を起こすコト。
それはいい意味で「ミイキ」のチカラを得るコトに繋がるのでしょう。
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かむながらたまちはえませ いやさかましませ~
水谷 拝
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