タマシヰの構造
タマシヰは、人の生命の根源(おおもと)のこと。
ホツマツタヱでは、アモト(大宇宙の中心)からタマが降され、クニタマ(地球)からシヰ(肉体)が与えられ、タマはタマノヲを介してシヰと結ばれていると考えられていました。
「アモト」は、宇宙の中心。アトモの語源はアメのモト。アメは大宇宙のこと。
「タマ」は、他人を思い遣る心、良心。意識や記憶。宇宙の中心「アモト」から与えられたモノ。
「シヰ」は、肉体のコト。肉体から来る欲求。食欲、性欲、物欲、名誉欲など。
この星で生き、子孫を繁栄させる為にクニタマ(地球)から与えられたモノ。
「タマノヲ」は、心情。精魂。精神。タマとシヰとを結びつける働きをもつもの。
人が死すればタマノヲを解いて、タマはアモト(大宇宙の中心)へ還り、シヰは地球(クニタマ)へ戻るとされています。
「ワケミタマ」は、アモトから与えられた「タマ」のコト。イケとし生けるすべての人が「タマ」をもっており、「アモト」をつうじて人はみなが繋がっています。

タマカエシ
タマはアモト(大宇宙の中心)から降ろされ、人となって楽しんだ後、またアモトへ帰っていくと考えられていました。
そして、タマは再び地球に人となって生まれ、楽しむことができるのが望ましいとされています。
しかし、人が早世(そうせい)したり、心がねじ曲がっていたり、自らの欲求を満たすことだけに溺れ、心がねじ曲がっていくと、タマ(良心)とシヰ(欲求)のバランスが崩れ、タマノヲが解けず地底をさまようことになります。
そして、あまりの苦しさのあまり、獣に生まれ変わってしまうこともあると伝えられています。
本来なら人が死すれば自然に「タマノヲ」は解け、「タマ」は次なる生を楽しむことができます。人に生まれ変わるためには、獣になる前にタマノヲを解いて、タマがアモトへ戻れるようにしなくてはなりません。
それこそがタマカエシ(霊還し)、乱れたタマノヲを解き、迷えるタマシヰをアモト(宇宙の中心)へ返すことができます。
天児屋根命(アマノコヤネ)の父(市千魂命)がその方法論を完成したとされています。
タマーシヰのバランス
シヰ(肉体)がもつ欲求というのは、人がクニタマ(地球)で生命を維持するために必要なモノです。
「お腹がへって食べ物がほしい」「喉が渇いて水がほしい」
そうシヰが訴えないと、人は餓死してしまいます。
本来は、タマが心地よく地球の暮らしを楽しむためのシヰ(欲しい、肉体の欲求)なのに、「欲しい、欲しい、欲しい」となり過ぎるのはシヰの暴走です。
そしてシヰの暴走こそ、不調や不運や病の原因でもあります。
タマ=シヰが不調を起こす要因は大きく分けて2つ。
タマ > シヰ シヰの欲求を抑え過ぎるため、タマがアモトへ強く引き寄せられてしまう
タマ < シヰ シヰ(欲求)の暴走で、タマが雲ってしまう
タマ >シヰの場合、自らの欲求に素直になるコトが大切であり。
タマ< シヰの場合、シヰ(欲求)の暴走は生活習慣(呼吸、姿勢、飲食、想念、運動)の乱れも要因にあります。
シヰ(欲求)の暴走でタマが曇り過ぎると、宇宙の中心「アモト」との繋がりを感じにくくなり、最悪、病にまで発展してしまいます。
タマ、シヰ、タマノヲの調和を整える方法こそ、一霊四魂の実践です。
「かへりみる・はじる・くゆる・おそる・さとる」の一霊四魂を整えることで、「タマ、シヰ、タマノヲ」のバランスを整えるコトができます。
タマは、シヰがないと楽しめないし輝かない。
シヰは、タマがあってこそ調和のとれた楽しみが可能になります。
タマ、シヰ、タマノヲのバランスを整え、生きることが人にとって本来の幸せなのです。


かむながらたまちはえませ いやさかましませ~
水谷哲朗 拝
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