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操体法とは?やり方・効果・セルフケアまでわかる身体調整法の基本

あなあっぱれ!
心と身体の生き苦しさに悩む人のための、言霊による身体調整の専門家、水谷哲朗です^^

プロフ

今日は、身体を無理に正すのではなく、身体の声を聴きながら整えていく「操体法」について詳しくお伝えします。

操体法は、痛い方へ頑張る方法ではありません。身体が「こっちの方が楽」「こっちに動きたい」「この方向が気持ちいい」と感じる方向へ動き、その心地よさを味わい、最後にふっと力を抜く身体調整法です。

ストレッチのように無理に伸ばすのではなく、整体のように外から強く矯正するのでもなく、自分の身体に備わっている感覚を使って、本来のバランスへ戻っていく方法です。

操体法は仙台市の温古堂診療所の医師、橋本敬三先生により創始されました。

橋本敬三先生はお医者さんでしたが、西洋医学でなかなかよくならない患者が、民間療法でよくなっていくのを見て、様々な療法を研究しました。

民間療法の治療家をつかまえて、カツ丼などをご馳走しながらいろいろ教えてもらったそうです。
治療家たちも、お医者さんが頭を下げて教えてくれというのですから、喜んで教えてくれたそうです。

橋本敬三先生は、正体術、身体均整法、ヨガ、マクロビオティック、千島学説、野口体操、鍼灸、漢方、東洋医学、神代文字(カタカムナ)など、実にさまざまなものを研究していました。

自然の法則を追究していたともいえます。
そして身体を気持ちよく動かすことで、身体の歪みが改善され病気も治っていくことを発見したのです。

しかし、最初の頃は操体法という名前はありませんでした。
橋本敬三先生は、「自然の法則でそうなってんだから、名前なんかどうだったいいんだ」と言っていたそうです。

晩年になって橋本先生の不思議な治療法がNHKで全国放送されることになり、何か名前くらいないと、ということで「操体法」と名づけられたそうです。

橋本敬三先生は、操体法に関して「自然の法則でそうなってんだ。俺が考えたんじゃねえんだ。」ということで、操体法のための団体をつくることなどせずに、教えて欲しいといってくるものにはどんどん教えてあげました。

当時は全国から仙台の温古堂にたくさんの人が、操体法を習いに来ていたそうです。
団体を作ってお金儲けをしようとすれば可能でしたが、橋本先生はそのようなことは一切しなかったのです。

そのおかげで、操体法は全国に広く知れわたることとなりました。

引用:仙台やすらぎの杜整体院

操体法とは

操体法とは、身体の「気持ちいい」「気持ちよくない」「楽」「つらい」「動きやすい」「動きにくい」という感覚を手がかりにして、心身のバランスを整えていく身体調整法です。資料では、操体法の土台として「息・食・動・想・環境」が互いに関係し合い、ひとつが整うと他も整いやすくなり、ひとつが崩れると他にも影響すると整理されています。

操体法の大きな特徴は、「痛いところを我慢して動かす」のではなく、「気持ちいい方向へ動く」ことです。身体は、痛みや不調が出る前に、違和感や不快感としてサインを出しています。そのサインを無視して頑張るのではなく、身体が楽になる方向を丁寧に探していく。それが操体法の基本です。

目次

操体法で大切にする原始感覚

操体法で重要になるのが「原始感覚」です。原始感覚とは、身体が本来持っている「快・不快を感じ分ける力」のことです。たとえば、背中がかゆい時、私たちは自然に手を伸ばして、ちょうど気持ちいいところを掻きます。そして「もう十分」と感じたら自然にやめます。これは誰かに教わったものではなく、身体に備わっている自然な感覚です。

操体法は、この原始感覚を整体的に活用します。どちらに動くと気持ちいいのか、どちらに動くとつらいのか、どちらの方向に身体が行きたがっているのかを感じ取り、その快の方向へ動きます。ただし、操体法でいう「快」は、強い刺激や快楽を追いかけるものではありません。「後味がよい」「身体がほっとする」「自然に楽になる」「無理がない」という感覚を大切にします。

身体は痛みの前にサインを出している

操体法の資料では、身体が悪くなる順序として「原始感覚の不快感 → 歪み → 痛み → 機能異常 → 病名診断」という流れが示されています。反対に、良くなる順序として「原始感覚の快感 → 歪み消失 → 痛み消失 → 機能異常消失 → 病名消失」と整理されています。ただし、これはすべての症状が必ず治るという意味ではなく、身体のバランス回復の考え方として理解することが大切です。

ここで大切なのは、痛みだけを見るのではなく、その前にある「なんとなく重い」「なんとなく動きにくい」「なんとなく気持ちよくない」という小さな違和感に気づくことです。身体はいつも、いきなり大声で叫ぶわけではありません。最初は小さな声で教えてくれています。

操体法の基本手順

操体法の基本手順は、「動診 → 操法 → 味わう → 脱力 → 余韻 → 確認」です。これはセルフケアでも、施術でも共通する大切な流れです。操体法・実技入門の資料でも、動診によって左右・上下などの動きの快不快を確認し、気持ちよい方向へ動く流れが説明されています。

1. 動診する

動診とは、身体を左右・上下・前後など対照的に動かして、どちらが楽か、どちらが気持ちいいか、どちらが動きやすいかを調べることです。たとえば、首を右に向く、左に向く。肩を上げる、下げる。腰を右に倒す、左に倒す。膝を右へ倒す、左へ倒す。このように動きを比べて、身体の答えを聴いていきます。

動診では、可動域の大きさだけを見ません。大きく動くけれど気持ちよくない場合もあれば、あまり動かないけれど楽に感じる場合もあります。操体法で大切なのは、「どれだけ動くか」よりも「どう感じるか」です。

2. 気持ちいい方へ動く

動診で気持ちいい方向がわかったら、その方向へゆっくり動きます。痛い方へ無理に動かす必要はありません。楽な方へ、気持ちいい方へ、身体が行きたがる方へ動きます。このとき、最初に動かした部分だけで終わらなくても大丈夫です。たとえば膝を右へ倒しているうちに、腰、背中、首、肩、呼吸まで自然に動きたくなることがあります。操体法では、この全身の連動を大切にします。

3. 気持ちよさを味わう

一番気持ちいいところ、一番安定するところで少し止まり、身体の感覚を味わいます。ここで頑張る必要はありません。「ここがいい感じ」「ここで少し止まっていたい」というところで十分です。操体法では、動きそのものだけでなく、気持ちよさを味わうことが大切です。

4. 脱力する

気持ちよさを味わったら、ふっと力を抜きます。ストンと抜いてもいいし、スーッとゆっくり抜いてもいいです。大切なのは、身体が「もう十分」と感じたところで終わることです。脱力は、操体法の中でもとても重要なポイントです。力を入れることよりも、気持ちよく力を抜けることが身体の変化につながります。

5. 余韻を味わう

脱力した後、すぐに次の動きへ進まないことも大切です。力を抜いた後の身体には、じんわりとした変化が起こることがあります。呼吸が深くなる、身体が温かくなる、痛みの感じ方が変わる、左右差が変わる、気持ちが落ち着く。この余韻を待つ時間が、操体法ではとても大切です。

6. もう一度確認する

最後に、最初と同じ動きをもう一度してみます。さっきより動きやすいか、痛みやつっぱりが変わったか、左右差がどうなったか、呼吸がどう変わったかを確認します。変化が小さくても大丈夫です。操体法は100点満点を目指すというより、身体が「これなら間に合う」という状態へ戻っていく方法です。

操体法は歪みを悪者にしない

整体というと、歪みを正す、左右差をなくす、真っ直ぐにする、というイメージがあるかもしれません。しかし操体法では、歪みを単純に悪いものとは見ません。操体法・実技入門の資料でも、歪みは治療前後の変化を見る情報ではあるものの、「歪み=悪い」と決めつけないことが大切だと説明されています。

歪みは、その人の身体の歴史でもあります。使い方の癖、守ってきた姿勢、頑張ってきた証、生活の中で身についた適応でもあります。だから、操体法では歪みを敵として扱うのではなく、身体からの情報として見ていきます。大切なのは、形だけを真っ直ぐにすることではなく、本人が楽に呼吸でき、気持ちよく動け、身体の中に余裕が戻ることです。

操体法の代表的なセルフケア

操体法は、自分で行うセルフケアにも使えます。たとえば、朝起きたときや寝る前に、首を右と左に向けてみる、肩を上げ下げしてみる、腰を左右に倒してみる、仰向けで膝を左右に倒してみる、足首を反らしたり伸ばしたりしてみる。このように簡単な動きから始められます。

ポイントは、痛い方へ動かさないことです。まず左右や前後を比べて、楽な方、気持ちいい方を探します。そして、その方向へゆっくり動き、一番いいところで味わい、満足したら脱力します。たくさんやる必要はありません。1回でも、1か所でも、30秒でもいいです。大切なのは、自分の身体に「今日はどう?」「どっちが楽?」「どこへ動きたい?」と聴く時間を持つことです。

操体法と呼吸

操体法では、呼吸も大切です。呼吸を無理にコントロールするというより、身体が楽になることで呼吸も自然に深くなっていく感覚です。資料では腹式深呼吸の方法として、仰向けで膝を立て、お腹に手を置き、フーッと息を吐き、吐ききったらポッと力を抜く流れが紹介されています。

この「吐く、抜く、自然に入る」という呼吸の流れは、操体法の「動く、味わう、脱力する」とよく似ています。身体は、力を入れることだけで整うのではありません。気持ちよく動いた後に、ふっと力を抜けること。そこに回復の入口があります。

操体法の具体的なテクニック

基本は、動診で快・不快を調べ、気持ちいい方向へ動き、一番いいところで味わい、脱力し、余韻を感じ、もう一度確認する流れです。

立って行う基本操体

1. 水平バサッと操体

立った状態で、足を腰幅に開き、目は正面の一点を見ます。息を吐きながら両腕をゆっくり水平まで上げ、ひと呼吸したら、息を吐きながら両腕をバサッと落として力を抜きます。腕を上げる時に、左右の腕や肩の感じをよく観察します。どちらかの腕が上げにくい場合は、上げにくい側の足に体重をかけると、腕が上がりやすくなることがあります。

使いどころ:肩の左右差、腕の上げにくさ、朝の身体チェック。
ポイント:腕を頑張って上げるのではなく、上がりやすい重心を探す。
注意:肩に痛みが出る場合は無理に上げない。

2. 足踏み操体

正面の一点を見て、その場で気持ちよく足踏みをします。最初から姿勢よく、規則正しくしようとせず、自分なりにトントンと足踏みします。左右の足と手が自然に均等に上がり、リズムよく動けるなら、そのまま気持ちよく50回ほど行います。上がりにくい足がある場合は、その足を少し強めに踏み、振りにくい手は振りやすい方向へ動かします。10〜20回ほど気持ちよく続けるうちに、動きがスムーズになりやすいと資料にあります。

使いどころ:全身のバランス確認、重心チェック、朝のウォーミングアップ。
ポイント:きれいに足踏みするより、気持ちよくリズムに乗る。
注意:痛みや苦しさが強い時は中止する。下の階に響かないようにする。

3. 左右屈操体

足を腰幅に開いて立ち、身体を右と左にゆっくり倒します。この時、倒れる方向の反対側の足に体重を乗せます。右に倒すなら左足、左に倒すなら右足です。左右を比べて、つらい方はやらず、気持ちいい方だけを2〜3回行います。資料では、気持ちいい方を行うことで、動きにくかった方が動きやすくなってくると説明されています。

使いどころ:腰の左右差、脇腹のつっぱり、立位の重心チェック。
ポイント:倒す側ではなく、反対側の足に体重を乗せる。
注意:横に倒そうと頑張らず、気持ちいい範囲で止まる。

4. 前後屈操体

前屈では、腕の力を抜いてゆっくり前へ曲がります。この時、体重をカカトにかけ、お尻を後ろに引き気味にします。後屈では、手を腰に当て、体重をつま先側にかけ、腰を前方に押し出すようにして反ります。前屈と後屈を比べ、気持ちいい方を2〜3回行います。前屈・後屈ともに、つらい方は無理に行いません。

使いどころ:腰の重さ、背中の張り、前後バランスの確認。
ポイント:前屈はカカト重心、後屈はつま先重心。
注意:腰痛がある場合は、痛みの出る角度まで行かない。

5. 左右ねじり操体

足を腰幅に開いて立ち、身体を右と左にゆっくりねじります。この時、ねじる方向の足に体重を乗せます。右へねじるなら右足、左へねじるなら左足です。左右を比べて、気持ちいい方だけを2〜3回行います。資料では、つらい方はやらず、気持ちいい方を味わうことで、動きにくかった方が動きやすくなってくるとされています。

使いどころ:腰・背中・首のねじれ、立った時の左右差。
ポイント:ねじる方向の足に重心を置く。
注意:首だけでねじらず、腰・背中・首が自然に連動する範囲で行う。

6. 伸び操体

足を腰幅に開いて立ち、両手を前から上へゆっくり上げます。カカトを浮かせ、全身で気持ちよく伸び上がります。いい感じのところで止まり、じっくり味わったら、息を吐きながら腕をバサッと落とし、膝もゆるめて力を抜きます。これを2〜3回行い、余韻も味わいます。

使いどころ:朝の目覚め、全身の伸び、呼吸を広げたい時。
ポイント:手だけで伸びるのではなく、足裏から頭まで全身で伸びる。
注意:ふらつく場合は無理にカカトを上げない。

座って行う基本操体

1. 座位の左右曲げ

椅子、正座、あぐらなど、楽な姿勢で座ります。頭の後ろで手を組み、身体を右と左にゆっくり倒します。左右を比べて、気持ちいい方へ倒し、味わっていたいところで止まります。十分に味わったら全身の力を抜き、余韻を感じます。

使いどころ:デスクワーク後、脇腹の張り、腰の左右差。
ポイント:頭だけを倒さず、肋骨・腰・骨盤まで連動させる。
注意:肩がつらい場合は、手を頭の後ろで組まなくてもよい。

2. 座位のねじり

座った状態で、身体を右と左にゆっくりねじります。どちらが気持ちいいかを比べ、いい感じの方向へねじります。気持ちいいところで止まり、味わい、満足したら脱力します。

使いどころ:背中の張り、腰のねじれ、呼吸の浅さ。
ポイント:無理に深くねじらない。気持ちよさが出る角度で止まる。
注意:腰や首に痛みが出る方向は行わない。

3. 座位の前後操体

座った姿勢で、背中を丸める動きと、背中を反らす動きを比べます。丸くなる時は目線をおへそへ、反る時は目線を天井へ向けると、全身が連動しやすくなります。気持ちいい方へ動き、味わって脱力します。

使いどころ:猫背、胸のつかえ、背中の重さ。
ポイント:真っ直ぐ前後に動く必要はなく、途中で左右に傾いたり、少しねじってもよい。
注意:反る動きで腰がつらい場合は、丸くなる方だけ行う。

寝て行うセルフ操体

1. つま先上げ

仰向けに寝て、両膝を立てます。片足ずつ足指を反らすようにして、つま先を上げます。足裏、ふくらはぎ、スネ、足の甲の感覚を観察し、左右どちらが気持ちいいかを比べます。気持ちいい方がわかったら、そのつま先を上げ、伸びる感覚を全身に伝え、十分に味わってからフッと力を抜きます。資料では、つま先を上げながらカカトを床に踏み込んだり、お尻の方へ引き込んだりすると、腰や背中の動きも変わると説明されています。

使いどころ:ふくらはぎの張り、足の疲れ、腰背部の連動を出したい時。
ポイント:速く強く動かさず、ゆっくり微細に動く。
注意:気持ちよさが見つからない時は、その日は無理に行わない。

2. 膝たおし

仰向けで両膝を立て、両膝を右と左にゆっくり倒します。太ももの外側、お尻、腰、背中が伸びる感じを観察します。気持ちいい方向へ膝を倒し、いいところで止まり、全身の力を抜きたくなったら脱力します。膝を倒す時は、腰、背中、首も自然に動かしてよいと資料では説明されています。

使いどころ:腰の重さ、骨盤まわりの緊張、寝る前のリラックス。
ポイント:膝だけでなく、腰・背中・首まで連動させる。
注意:膝や腰に痛みが出る角度まで倒さない。

3. カカト伸ばし

仰向けに寝て、片脚ずつカカトを遠くへ押し出すように動かします。脚全体が胴体から離れていくように伸ばします。右足と左足を比べ、どちらが気持ちいい伸びにつながるかを感じます。いい感じの方を伸ばし、味わったら脱力し、余韻が消えるまで待ちます。資料では、操者がいる場合はカカトに軽く抵抗を与えることで、伸びの感覚が全身に伝わりやすいとされています。

使いどころ:脚のだるさ、腰の左右差、全身の伸び。
ポイント:カカトを押し出す時、反対側の腰が縮む感じも観察する。
注意:力強く押し出すのではなく、そっと伸びる感覚を探す。

4. カエル足

うつ伏せになり、片膝ずつ脇の下の方へゆっくり引き上げます。左右を比べて、引き上げやすい方、気持ちいい方を探します。いい感じの足がわかったら、その足を引き上げ、味わいたいところで止まり、満足したら力を抜いて余韻を味わいます。ふたり操体では、操者が相手の脛を自分の腿に乗せ、足首付近をやさしく持ち、膝を引き上げる動きに抵抗をかけながらついていきます。

使いどころ:股関節、腰、骨盤まわりの調整。
ポイント:膝を脇へ近づける時、背中や首、反対の足も自然に動かす。
注意:股関節や腰に痛みが出る場合は中止する。

ふたりで行う操体法

1. つま先上げ ふたり操体

本人は仰向けで膝を立てます。まず膝裏を押さえて圧痛を確認します。中指や人差し指で、おわんの底を探るように膝裏を調べるとわかりやすくなります。痛みやシコリがある側の足が「伸び」をしたがっていることが多いと資料にはあります。操者は足の甲に手をふわっと置き、本人につま先をスネへ近づけるように反らしてもらいます。気持ちいい動きを味わい、満足したら脱力し、そのまま余韻が消えるまで二人で味わいます。

言葉かけ例:
「つま先をスネにつけるように、ゆっくり反らしてください」
「どこかつらい時は無理にやらなくて大丈夫です」
「腰も背中も、気持ちいいように使ってください」
「いい感じのところで味わって、抜きたくなったら全身の力を抜いてください」

2. 膝たおし ふたり操体

本人は仰向けで膝を立てます。操者は足元に座り、両膝に軽く手を置きます。本人に両膝を左右へ倒してもらい、気持ちいい方向を確認します。右側へ倒す場合、左手の中指と薬指を右膝の外側から膝裏に入れるようにして抵抗を与え、右手で左膝を支えます。力を抜いた後、すぐ元に戻したり手を離したりせず、余韻を味わいます。

言葉かけ例:
「左足の太ももの外側がスーッと伸びるように、ゆっくり両膝を右側に倒してください」
「腰も背中も首も、気持ちいいように動かして大丈夫です」

3. カカト伸ばし ふたり操体

本人は仰向けに寝ます。操者は足元に座り、両足のカカトに親指の腹を軽く当てます。本人にカカトを押し出してもらい、押し出してくるカカトへ軽く抵抗を与えます。左右どちらが気持ちいいかを比べ、いい感じの方を味わいます。脱力後はすぐ手を離さず、余韻が味わえるように支えます。資料では、操者の姿勢がつらいと相手にもつらさが伝わるため、操者も楽な姿勢で行うことが大切だとされています。

言葉かけ例:
「膝の裏が気持ちよく伸びるように、身体全体でゆっくりカカトを押し出してください」
「いい感じをしっかり味わって、抜きたくなったら気持ちよく脱力してください」

4. カエル足 ふたり操体

本人はうつ伏せになります。操者は本人の脛を自分の腿に乗せるように支えます。片方ずつ膝を脇の下へ引き上げてもらい、操者は足首付近をやさしく持って、引き上げる動きに抵抗をかけながらついていきます。反対の足のカカトが伸びてくるようなら、そのカカトにも押すように抵抗をかけます。お互いに力加減を相談しながら、一緒にいい感じを探します。

言葉かけ例:
「膝を脇の下にゆっくり引き上げてみてください」
「少しでもつらい時は上げないでください」
「背中も首も反対の足も、気持ちいいように動かして大丈夫です」

5. 圧痛操法

本人はうつ伏せ、仰向け、横向き、座位など、一番楽な姿勢になります。操者は気になる部位を探り、押さえると痛い場所を見つけます。痛いところが見つかったら、そこを押さえたまま、本人に「その痛みから逃げるように」身体を動かしてもらいます。痛みを感じない姿勢が見つかったら、その姿勢をしばらく保ち、気持ちよく力を抜いてもらいます。脱力と同時に、操者も押さえている力をゆるめます。資料では、「痛みから逃れる動き」と「気持ちいい動き」は一致することが多いと説明されています。

使いどころ:押すと痛い場所、コリ、局所の緊張。
ポイント:痛いところを強く押し込まない。痛みが消える方向へ逃げる。
注意:軽く押しただけで嫌な感じが強い場所は行わない。

6. 膝伸ばし ふたり操体

本人はうつ伏せになります。操者は左右の膝をゆっくり曲げてみて、曲がりにくい方を確認します。その後、本人に片方ずつ膝を伸ばしてもらい、どちらが気持ちいいかを感じてもらいます。気持ちいい方があれば、操者は足首のあたりを持って軽い抵抗を与え、その動きのいい感じを味わってもらいます。膝を伸ばす気持ちよさがなくなるか、膝が曲がりやすくなったら終了します。

使いどころ:膝の曲げにくさ、太もも前面の緊張、うつ伏せでの脚調整。
ポイント:曲げにくい膝が、伸ばす動きで気持ちいいことが多い。
注意:操者が膝を曲げて確認する時は、表情を見ながら静かに行う。

7. 指もみ ゆらし

本人は仰向けになり、足を腰幅に開きます。操者は足元に座り、足指を一本ずつ親指と人差し指で包み込むように持ちます。こすらず、リズミカルに足指の裏側をもみながら、全身をゆらします。一本ずつ感覚を聞き、不快な指は行いません。いい感じの指があれば、その指をゆらし、もまれる気持ちよさと揺れる心地よさを味わってもらいます。止める時は、急にやめず、もむ速さを少しずつ落とし、足指を包んだままピタッと止めて、止まった後のジワーッとした余韻を味わいます。

使いどころ:足先の緊張、全身のゆるみ、眠る前のケア。
ポイント:強く揉むのではなく、心地よいリズムで全身をゆらす。
注意:操者も一緒に心地よさを味わう。本人が眠っても、操者は眠らない。

応用操体 セルフケア編

1. 足からゆらゆら

仰向けになり、膝を伸ばしたままカカトを床へ軽く押しつけます。そのままカカトが滑らないようにしながら、足先をチョコチョコ上げ下げして、身体全体がゆらゆら気持ちよく揺れるようにします。揺れの速さ、強さ、回数は気持ちよさに合わせます。

2. 左右にゆらゆら

仰向けで脚を伸ばし、骨盤を左右にゆらします。左の骨盤を左へ、右の骨盤を右へ少し動かして感じを比べます。うまくいかない時は、左の骨盤を右へ、右の骨盤を左へゆらすなど、自由に試します。腰から背中、首、頭まで気持ちよく動き出すように行います。

3. 膝でゆらゆら

仰向けで膝を立て、片膝を抱えるように両手で持ちます。足腰と背中の力を抜き、膝を小さくゆらします。左膝をゆらす場合は、右手のひらで左膝のお皿を包み、股関節方向へ軽く押しながらゆらします。膝の位置を変えながら、股関節から腰、背中へ振動が伝わるようにします。

4. 手からゆらゆら

仰向けになり、両腕を天井に向けます。手指と手首の力を抜いて、手をぶらぶら揺らします。前後にぶらぶら、左右にねじるようにクルクル、ぶるぶると動かし、肩や背中が気持ちよくなる角度を探します。慣れてくると、手の揺れにつられて腰や足まで動きたくなることがあります。

5. おしりでゆらゆら

仰向けになり、手のひらを下に向けてお尻の下へ入れます。床とお尻にはさまれた手を、足の方へクックッと下げるようにして、身体全体を揺らします。大きく揺らしたり、小さく揺らしたり、ゆっくりにしたり速めにしたりしながら、心地よいリズムを探します。やめたくなった時がやめどきです。

6. びんぼうゆすり操体

椅子に座り、膝と足首が90度くらいになる位置から、カカトを5〜7センチほど浮かせます。そこからカカトを下へ2〜3センチほど、カクカクとリズミカルに上下させます。資料では、5秒間に20回くらいのリズムが目安として紹介されていますが、速さ、強さ、時間は気持ちよさに合わせます。片足だけ、両足同時、左右交互など自由に試します。

使いどころ:足の冷え、座り仕事中の気分転換、下半身のリズムづくり。
ポイント:意識して頑張るより、勝手に動くような感覚を探す。
注意:周囲に迷惑にならない範囲で行う。

7. フトンで腕の上下

仰向けで敷き布団のへりを握り、握ったところを上下に動かしながら、全身の連動を誘い出します。両手を一緒に上げ下げしたり、片方を上げて片方を下げたりして、気持ちいい動きを探します。もう十分だと感じたら脱力し、余韻を味わいます。資料の応用操体一覧にも「フトンで腕の上下」が含まれています。

8. ジャンケン操体

朝、布団の中でもできる操体です。仰向けでも横向きでもよいので、ゆっくりグーとパーを出してみます。チョキは使いません。グーが出しにくい場合は、気持ちよくパーを出す操体をします。一本一本の指が伸びる感覚を味わい、手のひら、手の甲、手首、肘、肩、背中、腰まで気持ちよく連動させます。満足したら、ふぅーっと力を抜いて余韻を味わいます。

9. カリポリ操体

身体のかゆいところを、気持ちよく掻く操体です。頭、首、顔、背中などを軽く掻いてみると、感じていなかったかゆみや、別の場所の感覚に気づくことがあります。掻き方、強さ、時間は気持ちよさに合わせます。掻く気持ちよさにつられて、顔や身体が自然に動くことがあります。

10. へっぴりスクワット

しゃがんで立つ時に、膝や腰がつらい人向けの操体です。まっすぐ立とうとせず、ゆっくり立ちながら、お尻を右か左へ少しひねります。どちらへひねると痛みが少なく立てるかを試し、痛みが出ない立ち方をスローモーションで2〜3回行います。

11. あくび操体

楽な姿勢になり、腰、肩、腕、首の力を抜きます。気持ちと視線をぼーっとさせ、少し上を向きながら、ゆっくり口を開けます。口を開けるというより、下顎を重力に預ける感覚です。あるところまで開くと、あくびが自然に出ることがあります。気持ちよく大きく口を開け、全身で伸びるようにあくびをします。口を開いてもあくびが出なくなったら終了です。

12. カカトの引き押し

仰向けで膝を伸ばして寝ます。つま先を少し反らせながら、両カカトをお尻の方へ引いてきます。カカトを床に軽く押しつけ、ズズッと引き込みながら膝を曲げます。次に、膝を立てた位置からカカトを床へ押し出すように伸ばしていきます。引く動きと押す動きを比べ、気持ちいい位置や方向を探します。

13. 歯の操体

気になる歯を、手指で軽く前後左右に動かして、心地よい方向を探します。気持ちいい方向が見つかったら、そのまま軽く動かして心地よさを味わいます。不快な方向には動かしません。資料では、形として正しい方向ではなくても、気持ちいい方向を味わうことを重視しています。

注意:歯や歯茎に痛み、炎症、ぐらつきがある場合は無理に行わず、歯科医に相談してください。

14. 目玉の操体

楽な姿勢で、目だけを上下、左右、斜め上下へゆっくり動かします。視線を動かしながら、目の奥の感覚を味わいます。気持ちいい方向が見つかったら、その動きを全身と連動させながら味わい、最後に力を抜きます。気持ちいい感じがなくなったら終了です。

使いどころ:目の疲れ、頭のこわばり、首の緊張を感じる時。
注意:めまい、強い眼痛、視界異常がある場合は行わない。

15. トイレット操体

両足を腰幅に開き、膝の上に手を置きます。首、肩、骨盤などを左右にねじったり、曲げたりして、気持ちいい姿勢を探します。いい感じの場所があれば、そこで十分に味わい、満足したら力を抜いて元に戻ります。資料では、トイレに行った後などに簡単にできる操体として紹介されています。

注意:トイレ直前は急ぎやすいため、資料では行わない方がよいとされています。

かわの操体 皮膚から整える技術

かわの操体は、皮膚を気持ちいい方向へ動かす操体です。基本は、相手の皮膚と自分の手の皮膚がなじむようにふわりと触れ、筋肉を押すのではなく、皮膚だけを水平にずらします。上下、左右、斜めなどの方向を試し、本人が気持ちいい方向へ、気持ちいい分だけ動かします。皮膚をつまんだまま、別の場所の皮膚を動かすことで、つまんでいる痛みや圧痛、筋肉の緊張が変化することもあると資料では説明されています。

使いどころ:強い刺激が苦手な人、身体を大きく動かせない人、過敏な人、皮膚感覚から身体をゆるめたい時。
ポイント:押さない、揉まない、こすらない。皮膚の層だけをそっと動かす。
注意:皮膚疾患、炎症、傷、強い痛みがある場所は避ける。

かわの操体とは?皮膚から身体の声を聴くやさしい操体法

かわの操体とは、皮膚、つまり「かわ」に働きかける操体法です。一般的な操体法は、首を動かす、膝を倒す、カカトを伸ばすなど、身体を動かしながら「気持ちいい方向」を探します。それに対して、かわの操体では、身体そのものを大きく動かすのではなく、皮膚をほんの少しだけ動かして、快・不快の感覚を聴いていきます。

資料では、かわの操体について「かわ、つまり皮膚を本人が気持ちいいと感じる方向に、気持ちいいと感じるだけ動かせば操体になる」と説明されています。身体を大きく動かせない人、動きの範囲が狭い人、過敏で強く触れられるのが苦手な人、自分の身体感覚がわかりにくい人にも使いやすい技術です。

かわの操体の基本原理

かわの操体で大切なのは、筋肉を押すことではありません。皮膚だけを、皮膚と水平の方向へ、ほんの少しずらします。手で圧をかけて押し込むのではなく、皮膚の表面がすべるように、あるいは皮膚の層がふわっと動くように触れていきます。

人の身体は、皮膚の動きにも反応します。皮膚を上にずらすのと、下にずらすのでは、感じ方が違います。右にずらすのと、左にずらすのでも違います。前にずらすと気持ちいいけれど、後ろにずらすと窮屈に感じることもあります。つまり、皮膚にも「快の方向」と「不快の方向」があります。

かわの操体は、この皮膚の快・不快を手がかりにして、身体全体の緊張やこわばりがゆるみやすい方向を探していく方法です。

かわの操体が向いている人

かわの操体は、次のような人に向いています。身体を大きく動かすのがつらい人、肩や腰がこわばっていて動作操体が難しい人、痛みに敏感な人、強い整体やマッサージが苦手な人、高齢の方、寝たまま受けたい人、麻痺や可動域制限などで自分の力で身体を動かしにくい人、まずは安心して触れられるところから始めたい人です。

資料でも、身体を感じ取ることに慣れていない人、身体が固く動きの範囲が狭い人、過敏で軽く触れても痛がったりくすぐったがったりする人、自分の力で身体を動かすことが困難な人に向き合う時、皮膚への働きかけによって「気持ちいい・気持ちよくない」という感覚が生まれてくると説明されています。

かわの操体の基本手順

かわの操体の基本は、「姿勢を整える」「ふわりと触れる」「皮膚を動かす」「感覚を確かめる」「気持ちいい方向で味わう」「皮膚を戻す」「余韻を味わう」という流れです。

1. 楽な姿勢をとる

受ける人は、立っていても、座っていても、横になっていてもかまいません。大切なのは、その人が楽でいられる姿勢です。操者も、自分の呼吸が深く楽にできているかを確認します。近づきすぎたり、離れすぎたりすると、腕や肩に力が入り、不安定な触れ方になります。資料でも、操者自身の呼吸が楽でなければ、一度手を離して距離を取り直すことが勧められています。

2. 手をふわりと置く

まず、手の力を抜いて、相手の身体にふわりと置きます。背中、お腹、腕、足など広い面には手のひら全体を使い、顔や頭など狭いところには指の腹を使います。自分の手や腕が一番楽に感じられる置き方を探します。

この時、指先で押さえ込まないことが大切です。触れている自分の皮膚を均等に感じるようにしていると、手の緊張がゆるみ、相手の皮膚も一緒にゆるみやすくなります。資料では、手が吸い付くような、相手の皮膚と自分の手の皮膚が一体化したような感じが出てくると説明されています。

3. 皮膚だけを水平にずらす

皮膚と手がなじんできたら、できるだけ筋肉を押さないように注意しながら、皮膚だけを水平にずらします。方向は、上、下、右、左、斜め上、斜め下などがあります。ただし、最初から8方向すべてを試すと、受ける人も操者も混乱しやすくなります。

まずは、上と下、右と左のように、反対方向の一組だけを比べるのがわかりやすいです。資料でも、一組の反対方向を試してみる方がわかりやすいとされています。

4. 気持ちいい方向ではなく、まず窮屈な方向を聞く

かわの操体では、「どちらが気持ちいいですか?」と聞くより、最初は「どちらが窮屈ですか?」と聞く方がわかりやすい場合があります。なぜなら、初めて受ける人は「気持ちよさを見つけなければ」と頑張ってしまい、かえって感覚がわからなくなることがあるからです。

資料でも、初めてかわの操体を受ける人には、「どっちの方向に動かした時、窮屈さを感じますか?」と聞いた方が進めやすいと説明されています。気持ちよさを探そうとして頑張ると、身体で感じるより頭で考えてしまいやすい、という指摘もあります。

聞き方の例は、「上と下、どちらが窮屈ですか?」「右と左、どちらが楽ですか?」「どちらが嫌な感じですか?」「どちらが自然ですか?」「動かさない方がいい感じですか?」などです。

5. 気持ちいい方向へ、気持ちいい分だけ動かす

気持ちいい方向、または窮屈ではない方向がわかったら、その方向へ皮膚をずらします。強く動かす必要はありません。ほんの数ミリでも十分です。

資料では、動かさずに触れているだけが一番いい場合もあるとされています。その場合は、無理に動かさず、ただじっと触れているだけでよいのです。

これはとても大切です。操体法というと「何か動かさなければ」と思いがちですが、かわの操体では「動かさないこと」が最善になる場合もあります。身体が求めているのが、変化ではなく、安心して触れられることの場合もあるからです。

6. いい感じを味わう

皮膚を気持ちいい方向へずらせたら、そのまま手を止めて、受ける人にその感覚を味わってもらいます。時間は決めすぎなくて大丈夫です。気持ちいいと感じていられる間、そのままとどめます。

終わりのタイミングがわかりにくい場合は、「気持ちよさがなくなったら教えてください」と声をかけます。資料でも、気持ちよさがなくなったら合図をしてもらうと、終わりのタイミングがわかりやすいとされています。

7. 皮膚を元の位置に戻す

受ける人から「もういい」という合図があったら、または気持ちよさがなくなる直前くらいを見計らって、ずらした皮膚を元の位置に戻します。ここで急に手を離さないことが大切です。

皮膚を戻しても、しばらく手をそのままにしておきます。すると、手足の先まで緊張が溶けていく感じ、血流が通っていくようなジンジンした感じ、身体の内側がふわっとゆるむ感じなど、余韻が出ることがあります。資料でも、皮膚を元に戻した後、いきなり手を離さず、余韻を味わってもらうことが説明されています。

かわの操体の具体例:肩の皮膚を前後にずらす

一番わかりやすい練習は、座っている人の後ろに立ち、両肩に手を置く方法です。自然に開いた指の腹を、指の重みを感じさせないくらい軽く置きます。操者は自分の腕や身体が楽に力を抜ける位置に立ちます。

そのまましばらく待っていると、相手の背中の皮膚と自分の手のひらの皮膚の温度がなじみ、貼り付いたような感じになることがあります。そこから、指で押しつけないように注意しながら、ほんの気分だけ前の方へ皮膚をずらします。相手にその感じを味わってもらったら、一度元に戻します。

次に、肩の皮膚を軽く後ろへ引くようにずらします。この時も、指で押さえ込まないようにします。前へずらした時と、後ろへずらした時で、相手に「感じが違う」ことを確かめてもらいます。すぐに違いがわからなくても、間を置きながらゆっくり何度も確かめるうちに、なんとなく違いがわかってきます。資料では、この肩の前後方向のかわの操体が導入例として紹介されています。

部位別に使えるかわの操体

かわの操体は、肩だけでなく、身体のさまざまな部位に使えます。資料では、胸、鎖骨の下、腕の付け根、胸の真ん中、肋骨、わきの下、お腹との境目、お腹、背中、腰、首の付け根、おしり、太もも、膝、すね、ふくらはぎ、足の甲、足の裏などが部位別の対象として挙げられています。

太もものような太い部分では、手のひら全体を使って両手でサンドイッチするように挟み、上下左右へ動かします。脚の重みを操者の脚に乗せて支えるだけでも、ももの皮膚につられて股関節が大きく動き、身体全体に連動しやすいと資料では説明されています。

膝の前面の皮膚は動かしにくく、感覚もわかりにくいことがあるため、つまみ上げを使うことが多いとされています。膝裏の皮膚は、上下左右にずらしていい感じを探します。すねやふくらはぎも、筋肉がパンパンに張っていたり硬くなっていても、上下左右の動きで気持ちいい動きが見つかればアプローチできるとされています。

足は、足の甲と足の裏を別々に行ってもよいですが、左右の手で上下から挟むようにサンドイッチし、それぞれの部分で一番楽で気持ちよい方向を見つけて、同時に動かす方法も紹介されています。

つまむかわの操体

かわの操体には、皮膚をずらすだけでなく、皮膚を軽くつまむ方法もあります。あちこちの皮膚を、厚みを変えながらつまんでみると、異常に痛いところが見つかることがあります。この痛みや不快感は、身体からの大切な情報として使うことができます。

資料では、痛みがわかる程度の軽さで皮膚をつまんだまま、本人が身体をいろいろ動かしてみると、痛みが増えたり減ったりすることがわかると説明されています。痛みが減る身体の動きがわかったら、一番痛みの少ないところまで動いて、全身の力を抜きます。これは圧痛操法の応用として紹介されています。

さらに、つまんでいる場所とは離れた部位の皮膚を動かすことで、つまんでいる痛みが軽くなることもあります。たとえば、肩の外側の皮膚をつまむと強く痛む場合に、みぞおちの皮膚を上、つまり頭の方向へ伸ばすようにずらすと、肩の皮膚をつまんだ痛みが軽くなることがあります。この場合は、みぞおちに上方向のかわの操体を行い、その後に肩の皮膚や筋肉、動かした時の感覚、姿勢の変化を確認します。

これはとても面白いポイントです。痛い場所を直接押したり揉んだりしなくても、離れた場所の皮膚を動かすことで、痛みや筋肉の緊張、コリの感じ方が変わることがあるのです。資料でも、つまんでいる皮膚の痛みだけでなく、指圧した時の痛みや筋肉の緊張、コリも、離れた部位のかわの操体で変化すると説明されています。

かわの操体の注意点

かわの操体で一番大切なのは、強くやらないことです。指で押し込まない。筋肉を揉まない。こすらない。皮膚だけを動かす。操者の腕に力が入っているなら、それは強すぎます。

また、触れている場所だけを見つめすぎないことも大切です。資料では、手を触れているところだけに意識を集中しすぎず、相手の全身がなんとなく視界に入っているようにすること、周囲の音に耳を澄ませるような心持ちでいることが説明されています。

これは、施術者の意識が狭くなると、手も固くなりやすいからです。触れている一点に集中しすぎるのではなく、相手全体、空間全体をやわらかく感じる。そうすると、手もやわらかくなり、相手も安心して身体の感覚を感じやすくなります。

かわの操体の一言定義

かわの操体とは、皮膚を気持ちいい方向へ、気持ちいい分だけ動かすことで、身体の緊張やこわばりがゆるみやすい方向を聴いていく、やさしい操体法です。

もう少し講座向けに言うなら、

かわの操体とは、身体を大きく動かさなくても、皮膚の快・不快を手がかりに、身体が安心してゆるむ方向を見つけていく手あての技術です。

経絡ストレッチ|操体法と合わせて使える身体調整

肺・大腸経ストレッチ

足を肩幅よりやや広めに立ち、背中で親指同士を引っ掛けます。息を吸いながら胸を張り、顔は自然に上を向けます。息を吐きながらお辞儀をします。無理に深く曲げる必要はなく、引っ掛かった位置で止まります。呼吸機能の強化・便秘に関する経絡ストレッチ。

胃・脾経ストレッチ

正座をして、そのままゆっくり後ろに倒れ、仰向けになります。両手を組んで万歳します。資料では、消化機能を高めるストレッチ。

心・小腸経ストレッチ

合蹠の姿勢で、足の踵をできるだけ肛門に引きつけ、両手で足先を包みます。息を吸いながら背骨を立て、吐きながら床へ上体を近づけます。頭から突っ込まず、お腹、胸、頭の順番で床に近づけるとよい。

腎・膀胱経ストレッチ

前屈を行います。身体がそれ以上曲がらない位置で何回か深呼吸し、膝裏はできるだけ床から浮かさないようにします。左右で膝裏の浮きが大きい側は、スジに負担がかかりやすい。

心包・三焦経ストレッチ

結跏趺坐をし、両手を交差させて反対側の膝をつかみます。息を吸い、吐きながらお辞儀をします。深呼吸を2〜3回行い、腕の裏表や肩甲骨に刺激を感じます。

肝・胆経絡ストレッチ

開脚し、上体を左右にひねって前屈します。頭から突っ込むのではなく、お腹から倒すようにします。開脚した膝はなるべく浮かさないようにします。資料では、肝の思慮深さと胆の決断力に関係するストレッチ。

任脈・督脈ストレッチ

任脈では、両手の平を太ももの後ろに沿わせるように当て、息を吸いながら顎を上げて後ろへ反ります。限界のところで「いち、に、さん」と数えて脱力します。督脈では、前屈して両手を太ももの後ろで組み、息を吸いながら顎を引き、そのまま前へ身体を倒します。限界まで来たら「いち、に、さん」で脱力します。

ストレッチの詳細はこちらから

https://san-sen.com/special/meridians

Q & A

Q. 操体法とは何ですか?

操体法とは、身体の「気持ちいい」「気持ちよくない」という感覚を手がかりに、楽な方向へ動き、味わい、脱力することで心身のバランスを整える身体調整法です。痛い方へ無理に動かすのではなく、身体が楽になる方向を探すことを大切にします。

Q. 操体法の基本的なやり方は?

基本は、左右・前後・上下などの動きを比べる「動診」を行い、気持ちいい方向へゆっくり動き、一番心地よいところで味わい、最後に脱力します。その後、余韻を感じてから、もう一度動きを確認します。

Q. 操体法とストレッチの違いは何ですか?

一般的なストレッチは硬い部分を伸ばすことが多いですが、操体法は痛い方やつらい方へ無理に動かしません。身体が気持ちいいと感じる方向へ動き、その感覚を味わうことでバランスを整えていきます。

Q. 操体法はセルフケアにも使えますか?

はい。首を左右に向く、肩を上げ下げする、腰を左右に倒す、仰向けで膝を左右に倒すなど、簡単な動きからセルフケアとして使えます。大切なのは、痛い方へ頑張らず、楽な方向を探すことです。

Q. かわの操体とは何ですか?

かわの操体とは、皮膚を気持ちいい方向へやさしく動かす操体法です。身体を大きく動かすのが難しい人や、強い刺激が苦手な人にも使いやすい方法です。押し込まず、皮膚だけをそっとずらすことが大切です。

Q. 操体法はどんな人に向いていますか?

身体の力が抜けにくい人、肩こりや腰の重さを感じる人、ストレッチが苦手な人、強い整体が苦手な人、自分の身体の声を聴けるようになりたい人に向いています。ただし、強い痛みやしびれ、発熱、炎症、急性症状がある場合は無理に行わず、専門家に相談してください。

まとめ

操体法で期待できる変化

操体法は、身体を力で変える方法ではありません。痛い方へ無理に動かすのではなく、身体が「楽」「気持ちいい」と感じる方向を探し、その感覚を味わいながら、自然な変化を促していく身体調整法です。操体法を行うことで期待できる変化としては、身体が軽く感じる、動きやすくなる、呼吸がしやすくなる、余分な力が抜ける、左右差がやわらぐ、痛みやつっぱりの感じ方が変わる、身体の緊張がほどけやすくなる、安心感が出る、自分の身体の声を感じやすくなる、などがあります。

大切なのは、「治そう」と頑張ることではなく、身体が安心して変化できる方向を一緒に探すことです。操体法では、身体の快・不快を手がかりにしながら、無理なく、やさしく、本来のバランスへ戻るきっかけをつくっていきます。ただし、操体法は症状の改善を保証するものではありません。強い痛み、しびれ、発熱、炎症、骨折の疑い、急性症状、重い疾患がある場合は、無理に行わず、必要に応じて医療機関や専門家に相談してください。

言霊ヒーリングと操体法の関係

僕が伝えている言霊ヒーリングでも、大切にしているのは「身体との対話」です。身体に礼をする、呼吸を整える、手を当てる、言葉を響かせる、身体の反応を聴く、最後に感謝で閉じる。この流れは、操体法の考え方ととても相性がいいです。

操体法では、身体の快・不快を聴き、楽な方向へ動き、気持ちよさを味わい、最後に脱力します。言霊ヒーリングでは、礼・呼吸・手あて・言葉を通して、身体との関係を結び直していきます。共通しているのは、身体を支配しないことです。痛みを敵にするのではなく、身体からのサインとして受け取る。無理に変えようとするのではなく、身体が安心して戻れる方向を聴く。力で押し込むのではなく、身体の内側から整う流れを助ける。ここに、操体法と言霊ヒーリングの大きな共通点があります。

操体法は、身体が「楽な方」を知っていることを思い出させてくれます。言霊ヒーリングは、言葉と手あてを通して、身体との関係をやさしく結び直していきます。この2つが合わさることで、ただ身体を整えるだけでなく、自分の命との向き合い方そのものが変わっていきます。

かわの操体と言霊ヒーリングの相性

特に「かわの操体」は、言霊ヒーリングの手あてと非常に相性がよい技術です。かわの操体では、皮膚にふわりと触れ、身体がどちらへ動きたいのかを聴いていきます。筋肉を強く揉んだり、押し込んだりするのではなく、皮膚が気持ちよく動ける方向を探します。これは、言霊ヒーリングで大切にしている「礼して触れる」「身体に聴く」という姿勢と重なります。

言霊ヒーリングにかわの操体を組み込むなら、まず身体に礼をし、呼吸を整え、手をふわりと置きます。そこから、皮膚の動きやすい方向を聴き、気持ちいい方向へほんの少し動かし、その感覚を味わってもらいます。そして皮膚を元に戻し、余韻を待ち、最後に感謝で閉じます。こうすることで、操体法の身体感覚と、言霊ヒーリングの祈り・手あて・言葉の流れが自然につながります。

かわの操体は、手あての質を高める技術でもあります。強く変えるのではなく、身体が安心して反応できる余白をつくる。ここに、言霊ヒーリングと操体法を組み合わせる意味があります。

操体法を講座で学ぶ意味

操体法は、文章を読むだけでもある程度は実践できます。しかし、本当に大切なのは、実際の感覚です。どれくらいの力で動くのか、どこで止まって味わうのか、どのタイミングで脱力するのか、相手に触れる時にどれくらい軽く触れるのか、抵抗をかける時にどれくらい支えるのか、相手の身体の反応をどう聴くのか。こうした感覚は、実際に体験しながら学ぶことで深まります。

特に、人に触れる仕事をしている方、整体・セラピー・ヒーリング・介護・家族ケアに関わる方にとって、操体法の考え方はとても役立ちます。なぜなら、操体法は「相手を変える技術」ではなく、「相手の身体が変化できる方向を一緒に聴く技術」だからです。これは単なる手技ではありません。相手の身体を尊重すること、無理に動かさないこと、快・不快を丁寧に聴くこと、変化を急がないこと、身体が安心してゆるむ場をつくること。こうした在り方そのものを育ててくれます。

だからこそ、操体法は言霊ヒーリングを学ぶ方にも、とても大切な土台になります。身体に聴く力が育つほど、手あての質も、言葉の響きも、相手への寄り添い方も変わっていきます。

最後に

操体法とは、身体の「気持ちいい」「気持ちよくない」という原始感覚を手がかりに、楽な方向へ動き、味わい、脱力することで、心身のバランスを整えていく身体調整法です。痛い方へ頑張らない。身体を無理に正そうとしない。身体がすでに知っている快の方向に耳を澄ませる。ここに操体法の本質があります。

身体は、いつも何かを教えてくれています。重さも、痛みも、違和感も、ただの敵ではありません。そこには「もう少し楽に生きたい」「こっちへ動きたい」「力を抜いてほしい」という身体からのメッセージがあるのかもしれません。操体法は、その声を聴くためのやさしい入口です。

身体を無理に変えるのではなく、身体の声を聴きながら整えていきたい方へ。

言霊ヒーリングでは、礼・呼吸・手あて・言霊・身体感覚を通して、自分の中心に還る身体調整をお伝えしています。心と身体の生き苦しさをやわらげ、自分の身体と仲直りしていきたい方は、ぜひ講座や個人セッションで体験してみてくださいね。

あなあっぱれ!

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