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日霊(ひる)・夜霊(よる)胎児の成長と暦に関係

目次

日霊と夜霊

日霊(ひる)と夜霊(よる)とは、古代日本で太陽と月の霊的エネルギーを指す言葉です。単なる昼と夜の時間区分ではなく、「霊(れい)」すなわち霊妙な力としての日と月を意味します。

古代文献『ホツマツタヱ』では太陽のエネルギーを「ヒル」(日潤・日霊)、月のエネルギーを「ヨル」(夜潤・夜霊)と呼んでいます。この日霊・夜霊の概念は中国の陰陽思想とも共鳴しており、陽=太陽・昼・男性原理、陰=月・夜・女性原理として捉えられてきました。

実際にホツマツタヱでも「ヒル」は太陽神の霊力(天照大神)、「ヨル」は月神の霊力(月読命)に対応付けられており、日本神話における天照大神と月読命の関係にも通じます。こうした背景から、日霊・夜霊は森羅万象に浸透する根源的な生命エネルギーであると考えられました。

日霊(ヒル)と夜霊(ヨル)の比較

要素 日霊 ヒル (太陽の霊)夜霊 ヨル (月の霊)
性質(陰陽)のエネルギー(能動的・男性原理)​  
=太陽神の霊力(天照大神)
のエネルギー(受容的・女性原理)​  
=月神の霊力(月読命)
自然界への作用太陽光を浴びて育つ地上の植物を成長させる​  
(例:穀物、葉菜類)
月の力を受けて育つ地下の植物を成長させる​  
(例:根菜類)
人への役割**魂(精神面)**を形成し活力を与える​**魄(肉体面)**を形成し安定を与える​
気質への影響日霊多め:陽気で活動的な性質​夜霊多め:穏やかで直感的な性質​

(日霊・夜霊のバランスが人格に影響するとされる民間信仰上の例です)

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胎児の成長

古代の人々は、胎児が母体内で成長する過程にも日霊・夜霊の働きが深く関与すると考えていました。『ホツマツタヱ』によれば、太陽神の霊(日霊)と月神の霊(夜霊)が交わって受胎が起こり、人の「種」である胚が宿ります。

さらにその胚を包むように両神霊が陰陽の勾玉のように二つ巴(ともえ)となって回転しながら胞衣(えな、胎盤)を形作り、胎芽を育んでいくと記されています。

その回転運動は妊娠の進行に伴って次第に速まり、妊娠64日目(約2か月後)に累計1080回転に達したとき、胎芽が晴れて人としての魂魄(こんぱく)を備えた胎児になると説かれています。現代医学で言えば胚子(胚)から胎児への移行期にあたり、この瞬間に初めて「一人の人間の誕生」が完成するとみなされたわけです。

表:古代における妊娠〜出産の主な節目と信仰

  • 受胎(妊娠初期): 太陽神と月神の霊力が交わり胚(人の種)が宿る。両エネルギーが胎内で二つ巴となり胎芽の育成を開始する。
  • 64日目(妊娠約9週): 日霊・夜霊の回転が累計1080回に達し、胎芽が人の子(胎児)となる。魂魄が備わり、人としての形が整う節目。
  • 5か月目(妊娠中期): 胎児が人の姿になるとされる時期。安産祈願の帯祝いを実施(戌の日に岩田帯を巻く)。子供守護の地蔵菩薩に安産を祈る。
  • 最終月(妊娠10か月目): 「十月十日」の語源通り約280日で出産に至る。現代のように出産予定日を計算し、その前後の吉日に安産を願う習慣もあった。
  • 出産(誕生の瞬間): 新生児が産声を上げた日や時刻(干支や月齢)によって運勢を占う習わしがあった。陰陽道では生年月日時(四柱)が命運を定めるとされ、宇宙のリズムと同期した誕生が重要視されていた。

胎児は肉体だけでなく魂魄の両面において日霊(陽の霊)と夜霊(陰の霊)をそれぞれ受け継ぎ、その調和バランスによって健全に発育すると考えられました。例えば、日霊を多く受けた子は活発に育ち、夜霊を多く受けた子は穏やかになるという言い伝えがあります。したがって両方のエネルギーが偏りなく胎児に宿ることが重要で、どちらか一方が不足したり乱れたりすると流産や難産につながるとも考えられました。

また、妊婦が日中は太陽の光を浴びて健やかに過ごし、夜は静かに休んで月の影響を穏やかに受けることが奨励されていました。これは現代でいう適度な運動と十分な休息を心掛ける養生法に通じますが、当時はまさに日霊・夜霊の概念によってその大切さが語られていたのです。

暦や信仰との関連

古代日本では、妊娠・出産にまつわる多くの信仰や暦に基づく習俗が存在しました。胎児の成長段階を月数や暦と結び付けて意味づけし、それに沿った儀礼を行う伝統がありました。主な例を挙げると次の通りです。

  • 妊娠期間「十月十日」: 妊娠期間は月の満ち欠けに沿って数えられ、「十月十日(とつきとおか)」すなわち約10か月(約280日)で出産に至ると表現されました。これは太陰太陽暦において妊娠開始から10回の月の周期を経て迎える10か月目の10日目頃の出産という意味合いで、1か月を約29.5日とする陰暦に基づいた表現です(実際には約9か月強=約295日ですが、十月十日は慣用的に妊娠期間を指す言葉になっています)。
  • 胎内十月図: 江戸時代には『胎内十月図』という絵図(巻物)に、妊娠1~10か月それぞれの胎児の姿と、その月ごとの守護仏が描かれていました。例えば妊娠5か月目には胎児が人の形になると考えられ、この月の守護仏として地蔵菩薩があてられています。1~10か月の各月に、不動明王、釈迦如来、観音菩薩、弥勒菩薩、阿弥陀如来など合計十体の仏が胎児を見守る存在として割り当てられていました。
  • 帯祝い: 妊娠5か月目の最初の戌の日(干支の戌にあたる日)に、妊婦が腹帯(岩田帯)を巻いて安産を祈願する「帯祝い」の風習があります。犬が多産でお産が軽いことにあやかった習俗で、平安時代頃から広まったとされています。この戌の日には安産の神として知られる水天宮などの神社に参詣し、胎児の無事な成長と母体の安全な出産を神仏に祈るのが一般的でした。
  • 出産日の吉凶: 出産の日取りにも暦注(六曜や干支)を重視する民間信仰があり、忌み日を避けて日を選ぶ習慣も見られました。現代でも「大安の日に産みたい」という希望が聞かれるように、帝王切開の日程を六曜で最も吉とされる大安に合わせる例があります。こうした暦に基づいて出産日を定め吉凶を占う風習は、古来からの民間信仰の名残と言えるでしょう。
  • 産後の儀礼: 無事出産を終えると、赤子の誕生を祝う一連の儀礼が行われました。例えば、生後すぐに産湯に浸ける「産湯(うぶゆ)」、生後7日目の夜に命名式を行う「お七夜」、生後30日前後に氏神様へ参拝して報告と祈願をする「お宮参り」などです。これらの儀式を通じて、地域社会で新たな生命の誕生を祝い、神仏に感謝するとともに子の健やかな成長を祈りました。

自然界への影響

日霊・夜霊というエネルギーは、人間だけでなく自然界全般の営みにも影響を及ぼすと考えられていました。太陽と月という二つの霊力があらゆる生命の中に陰陽の形で宿り、万物を成長・維持させるという視点です。

  • 農作物への作用: 『ホツマツタヱ』には、農作物に対する日霊・夜霊の作用について記述があります。太陽の霊(日霊)を受けて育つ作物(稲・麦などの穀物や葉物野菜)は「ソロ(繁)」、月の霊(夜霊)で育つ作物(大根などの根菜類)は「ナロナ(和菜)」と呼び分けられていました。地中の根は月の霊力によって伸びると考えられ、月光や月の引力が地下の作物に作用すると信じられていたのです。
  • 生命エネルギーの根源: 日霊・夜霊は、森羅万象を動かす陰陽二元の生命エネルギーそのものであるとみなされました。人間の場合、日霊は**精神(魂)面を、夜霊は肉体(魄)**面を司るとされ、生まれながらに両方の霊力を備えて初めて健康な生命が成立すると考えられました。エネルギー配分のどちらかが欠けると生命が不完全になるという捉え方です。
  • 人の性質への影響: 日霊と夜霊の偏りは人間の性質にも影響すると考えられました。日霊が強い人は活動的で積極的な性格になり、夜霊が強い人は直感的で穏やかな性格になるといった具合です。実際、各地の民間伝承には「日霊が強いと陽気になる」「夜霊が強いと夢見がちになる」など、性格気質を日霊・夜霊で説明する俗信も伝わっています。

このように、太陽と月という自然界のリズム(昼と夜、月の満ち欠け)が人間や動植物の成長リズムに呼応し、互いに影響し合うというのが日霊・夜霊という考え方の根幹にあります。

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