兵法家伝書は、柳生宗矩によって書かれた武術の指南書で、新陰流兵法の基本的な教えや哲学を紹介しています。
ここでは、武術の視点から健康と病の理解、そして治癒のプロセスに関する重要な部分をまとめます。
目次
兵法家伝書
1. 病の根本原因と「つかえ滞り」
- 病気の根本原因は「つかえ」や「滞り」であるとされています。身体や心の気の流れが滞ることで、病が生じるという考え方が共通しています。身体的な緊張やストレスだけでなく、精神的な執着やこだわりも「つかえ滞り」の原因となります。
2. 病を去るための基本的なアプローチ
- 病を去るためには、「病を去ろう」という執着自体を捨てることが大切だとされています。病気や不快感と一体化し、内側から感じることによって、滞りを解消することが可能になります。
- 「何とか治そう」とする焦りや葛藤もまた滞りの一種であり、これを捨て去ることが治癒の第一歩とされます。病気を外部の異物として排除しようとするのではなく、内側から感じ、受け入れることで病が去ると説かれています。
3. 「道に遊ぶこと」の重要性
- 「道に遊ぶ」とは、人生をのびのびと楽しみ、理論や方法論に依存せず、内発的な感性や感覚に従って生きることを意味します。健康法や養生法に過度にこだわることは逆効果であり、自由で自然な生き方が重要であるとされています。
- 「道に遊ぶ」は、直感的で生き生きとした生き方を指し、外部の理屈や方法論ではなく、自分の内なる感覚に基づいて行動することが推奨されています。これにより、気の流れが滞ることなく、自然な健康が保たれます。
4. 「天命に安んずる」という心の持ち方
- 長生きや健康を求める執着を捨て、「生死を天命に任せる」という心の持ち方が推奨されています。これを「天命に安んずる」といい、こだわりを捨てて自然体で生きることが「道に遊ぶ」ことに繋がるとされています。
- 「生死を捨てる」ことは、「死から逃れたい」という恐怖を捨て、変化する現実をありのままに受け入れることです。これにより、心身の自由が得られ、病を遠ざけることが可能になるとされています。
5. 「内発性を育む」ことと「現実に開かれる」こと
- こだわりを捨て、内側から湧き出る内発性(想い、興味、好奇心)を大切にし、それに従って生きることが推奨されています。これは、現実の自分を認識し、その変化に柔軟に対応する生き方です。
- 自分の感覚や感性を観察する「意識的な生き方」をすることで、心身のエネルギーが滞ることなく、健康と活力を保つことができるとされています。
6. 安全へのこだわりが招く罠
- 安全や保証を求めて養生法や健康法に固執することが、逆に健康を損なう原因になると警告しています。これは、固定観念に縛られ、変化する現実に対応できなくなることを意味します。変化し続ける現実に適応するためには、こだわりを捨て、より意識的で自由な生き方を心がけるべきだとされています。
まとめ
「病を去ること」の核心は、健康と病の本質は心身の自由にあり、こだわりや執着を捨てて「道に遊ぶ」ことで病を遠ざけ、健康を保つことができるという哲学です。
理論や方法に固執するのではなく、自然体で直感的に生きることが、真の健康をもたらす道であると強調されています。
それではまた!
かむながらたまちはえませ いやさかましませ(神の御心のままに、どんどん発展していきますように)
水谷 哲朗(みずたに あきお)
フトマニカード(R)創始者
言靈ヒーリング協会(R)代表
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